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【活用例あり】ChatGPTの新機能「Custom instructions」とは?

date2024年02月08日
【活用例あり】ChatGPTの新機能「Custom instructions」とは?
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はじめに

  • Custom instructionsは、事前情報や出力方法を追加・調整できる機能
  • 一度設定を行うと、その後の質問すべてに適用されるという特徴がある
  • 作業時間の短縮や、意図に合った回答が取得できるというメリットがある
  • Custom instructionsを利用するには、ChatGPTの登録が不可欠
  • 事前情報には、ChatGPTとの対話で考慮してほしい内容を入力しよう
  • 出力情報には、質問に対してどういった回答が欲しいかを考えて入力しよう

2023年7月頃、ChatGPTに新機能「Custom instructions」が導入されました。導入された当初は有料ユーザ限定でしたが、2023年10月末時点では無料ユーザも使用可能となっています。
この記事では、Custom instructionsとはどういった機能なのか、メリットや使用方法なども併せてご紹介していきます。

「Custom instructions」とは?

「Custom instructions」とは、ユーザの「何をしたいか、何を求めているか」といったニーズに合わせて事前情報や出力方法を追加・調整できる機能です。この機能は一度設定を行うと、その後の質問すべてに適用される点が特徴です。細かく質問内容を変える場合には不向きですが、ある特定条件や制約の下で連続使用する場合、非常に有用な機能と言えます。

Custom instructionsを利用するメリット

Custom instructionsの実装は、ChatGPTの便利性を高めています。この機能を利用する際のメリットとして、以下が挙げられます。

  • 作業時間が短縮できる
  • トークン数を節約できる
  • 意図に合った回答が取得できる

これら3つのメリットについて、簡単にご紹介します。

作業時間が短縮できる

Custom instructionsの機能は、具体的に条件を設定することで、こまごまとした情報を繰り返し入力しなくても、条件を継続反映させることが可能です。また、同条件でさまざまなことを対話したい場合にも有効ですので、作業時間の短縮につながるでしょう。

トークン数を節約できる

ChatGPTにはトークン数(文字数)の制限があり、無料ユーザは約2048、有料ユーザは約4096トークンまでと定められています。Businessプランを利用している場合は約8192トークンまでと、トークン数の制限には大幅な差があります。
Custom instructionsを使用した場合、同じ条件を毎回入力する必要がなく、その分のトークン数を減らすことが可能です。詳細な情報提供や、長文での出力を求める場合に有効です。

意図に合った回答が取得できる

Custom instructionsはユーザの持つニーズに合わせて、条件を設定できるため、より正確な回答や情報を得ることが可能になります。また、条件設定の内容を絞り込んでおくことにより、より細やかな対話が可能となるため、ユーザの意図と合致した対話が実現できます。

ChatGPTでCustom instructionsを利用するには

「Custom instructions」の機能を利用するには、ChatGPTの登録をしておくことが大前提となります。アプリ版とWeb版がありますので、ご自身の用途にあったものを選ぶといいでしょう。
利用する際の注意事項は、事前情報を複数は定義できないことです。先に設定していた条件と異なる内容を問いかける場合は、機能をOFFにするか、内容を変更する必要があります。
ここからは、ChatGPTで「Custom instructions」を利用する方法について紹介します。

1. ChatGPTに登録する

まずはChatGPTに登録を行いましょう。ChatGPTには、iOS・Androidそれぞれに対応したアプリ版、Google Chromeなどのブラウザで利用するWeb版があります。アカウントの登録方法は、アプリ版とWeb版で大きな違いはありません。メールアドレス、またはGoogle/Microsoftアカウントで登録可能です。

2. Custom instructions(カスタムインストラクション)を選択する

ChatGPTにログイン後、Custom instructionsの入力画面を開く手順のご紹介です。
使用している画像は、Web版(Google Chrome利用)のChatGPTを利用した画像になります。

1.ChatGPT画面左上の、ハンバーガーメニューをタップします。そうすると、左側からアカウントメニューが開きます。

画面左上のハンバーガーメニューを示すスクリーンショット

2.開いた画面内の最下部にある、ミートボールメニューをタップします。そうすると、ログアウトを含む4つの選択肢が表示されます。

ミートボールメニューをタップしてログアウトを含む4つの選択肢が表示された状態のスクリーンショット

3.表示されたら、一番上の「Custom instructions」を選択しましょう。タップすると、以下のような画面が表示されます。

Custom instructionsを選択した状態のスクリーンショット

4.表示された「Introducing Custom instructions」画面の、OKボタンをタップします。書かれている内容を日本語に翻訳したものが、2枚目の画像です。

Introducing Custom instructions画面のOKボタンをタップした状態のスクリーンショット
Introducing Custom instructions画面のOKボタンをタップした状態の日本語訳のスクリーンショット

5.OKボタンをタップすると、以下のような画像が表示されます。この画像内の上枠に事前情報と、下枠に出力情報を記入することで、Custom instructionsを利用できます。

事前情報と出力情報を記入する枠が出ている状態のスクリーンショット

3. 必要な事前情報や出力情報を登録する

上記でご紹介したように、事前情報と出力情報を枠内に入力します。
事前情報:入力するべき内容は「ChatGPTに知っておいてほしいこと」です。具体的に、対話で考慮してほしい内容や条件、設定などを入力しましょう。
出力情報:入力するべき内容は「どのように回答してほしいか」です。これから行う質問に対して、どういった回答が欲しいかを考え、入力しましょう。

【例文】ChatGPTのカスタム命令文(プロンプト文)について

機能の名称にもなっている「Custom instructions」は、日本語では「カスタム指示」または「カスタム命令」という意味です。AIに対して指示・命令を行う文章のことを「プロンプト」と呼びます。Custom instructionsの機能で入力する文章は、この「プロンプト」にあたります。とはいえ、命令文の入力に複雑な操作はありません。
ここからは、カスタム命令文(プロンプト文)の例文をご紹介します。

カスタム例文1(プログラミングを学ぶ場合)

以下のようにCustom instructionsを入力しました。

プログラミングを学ぶ場合のCustom instructionsの入力の一例

質問した内容は「Webスクレイピングを行う方法」です。
入力内容に対する回答はこちらです。

Webスクレイピングを行う方法という質問とその回答を表示したスクリーンショット

カスタム例文2(教育の場で活用する場合)

以下のようにCustom instructionsを入力しました。

教育の場で活用する場合のCustom instructionsの入力の一例

質問した内容は「英語の入試問題を3種類作成してください」です。
入力内容に対する回答はこちらです。

英語の入試問題を3種類作成してくださいという質問とそれに対する回答を表示したスクリーンショット

カスタム例文3(日常生活で使用する場合)

以下のようにCustom instructionsを入力しました。

日常生活で使用する場合のCustom instructionsの入力の一例

質問した内容は「今日の晩御飯を考えてください」です。
入力内容に対する回答はこちらです。

今日の晩御飯を考えてくださいという質問とそれに対する回答を表示したスクリーンショット

まとめ

Custom instructionsは、ユーザのニーズに合わせた事前情報・出力情報を設定して、作業時間の短縮や意図に合う回答を得られる機能です。実装当初はベータ版として有料ユーザのみに提供されていましたが、現在はWeb版・アプリ版問わず、無料ユーザも利用できるようになりました。本記事でご紹介している画像はAndroid/Web版利用のものですが、利用手順はOSや使用環境が違ってもほとんど同じです。
ChatGPTを初めて利用する方の参考になれば幸いです。

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