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デジタルマーケティングとは基礎から解説!注目の背景や必要なスキル資格勉強方法まで

date2024年01月18日
デジタルマーケティングとは基礎から解説!注目の背景や必要なスキル資格勉強方法まで
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はじめに

デジタルマーケティングがいま注目されています。この記事ではデジタルマーケティングとは何か、そのメリットや具体的な手法について触れながら、デジタルマーケティングに携わるうえで求められるスキル・資格について紹介します。

デジタルマーケティングとは?

デジタルマーケティングとは?

マーケティングとは一般的に、モノやサービスを売るための市場調査・広告宣伝といった業務を指します。ではデジタルマーケティングとは何でしょうか。デジタルマーケティングが確立された経緯やその定義・目的・メリットを解説するとともに、最近特に注目されるようになった背景についてご案内します。

必要とされる経緯

インターネットが誕生する以前、マーケティング活動の主戦場は新聞・雑誌・テレビなどのマスメディアでした。誌面に広告を掲載する、テレビCMを打つ、あるいはDM(ダイレクトメール)を送るといった活動がその代表的な手法です。

インターネットに端を発したデジタル化の波はいま、IoT (Internet of Things)の普及・ビッグデータ利用・AIの発展など、私たちの生活に計り知れない影響を与えるに至りました。その結果、旧来のマーケティングも態様を大きく変える必要が生じました。それがデジタルを活用したマーケティング=デジタルマーケティングです。

デジタルマーケティングの定義

デジタルマーケティングとは、Web・電子メール・SNS・動画・スマホアプリなどのデジタルコンテンツやメディアを活用したマーケティングを意味します。デジマという略語で表記されることも多いですが、和製英語ではなく英語でもdigital marketingと呼ばれます。

デジタルマーケティングの目的

デジタルマーケティングもマーケティングであることに変わりはありません。その目的はモノやサービスを売る仕組みづくりです。デジタルマーケティングが従前のマーケティングと大きく異なるのは、より精度の高い「One to oneマーケティング」が実現可能な点にあります。

ターゲットを絞り込み適切なタイミングで必要な情報を届けるための、ユーザーに関する膨大かつさまざまなビッグデータがその根幹を支えています。デジタルマーケティングはいまや、施策の立案から実行、その後の効果検証までを「デジタルマーケティング戦略」としてトータルに担う存在となっています。

デジタルマーケティングのメリット

デジタルマーケティングには多様なメリットがありますが、大きくは次の2つを挙げることができます。

  1. リアルタイムに効果をデータとして確認できる

    サイトのアクセス数、広告の閲覧数・クリック率、コンバージョンレートなどが簡単に画面で確認できます。例えばECサイトにおいて、どの商品がよく見られるか、どういった広告がユーザーに刺さるのか、さらには商品ごとのサイズや色の売れ行きまで瞬時に数字として把握できます。従来は効果検証や分析までにタイムラグがあったり軌道修正に時間を要したりしたものが、即座に対応可能なことは著しいメリットです。

  2. 省人化・効率化によるコストダウンができる

    マーケティング活動には相応のマンパワーが求められます。デジタルマーケティングではこの人的リソースをテクノロジーで代替することができます。マーケティング・オートメーション(MA)ツールを使用し、顧客データに基づく適切なアクションの実行や、新規顧客獲得・休眠顧客の掘り起こしも可能です。またMAツールには分析機能も備わっていますので効果検証も効率的に行えます。

最近、特に注目されるようになった背景

いまデジタルマーケティングが注目される理由にはどのような背景があるのでしょうか。考えられるものを2つご紹介します。

  1. スマートフォンやタブレットなどIoT (Internet of Things)デバイスの多様化と普及

    かつてインターネットにアクセスするにはパソコンが必要でした。しかし今では若年層を中心にパソコンは持っていないけれど、ネット環境は四六時中利用しているという人たちも少なくありません。Wi-Fiなどインフラ環境の充実もさることながら、何といってもスマートフォンやタブレットの普及がその一番の要因です。その結果、情報への接点(タッチポイント)も大きく変化しました。紙媒体やテレビからWebを中心としたデジタルへの急速な移行です。
    このことがマーケティングの主流がデジタルマーケティングへと大きく転換した背景と考えられます。

    IoTについてより詳しく知りたい場合はIoTとは?なにかを分かりやすく解説の記事も参考にされてください。


  2. 情報源の多様化

    デジタルという大きな括りのなかでも多様化が進んでいます。検索エンジンで検索しその結果から情報を探すという行動から、ブログやSNSでの発信といった非公式な情報・口コミを重視する方向へとユーザーの情報源も変容してきました。企業もこれに呼応するかたちで、自社サイトのみならず各種SNSでの発信を強化しました。包括的・継続的にユーザーと接点を持ち続け、企業や商品に対するエンゲージメント(愛着心や思い入れ)を高めていくことが求められるようになってきたことも背景のひとつと言えます。

デジタルマーケティングの手法

デジタルマーケティングの手法

デジタルマーケティングと似た言葉にWebマーケティングがあります。デジタルマーケティングとWebマーケティングとの違いは何でしょうか。
ユーザーのデジタルデータを使って行うマーケティングを総じて表すのが「デジタルマーケティング」です。そのなかの種類・方法のひとつにWebマーケティングがあります。

以下ではデジタルマーケティングの定石とも言えるWebマーケティングの手法について、マーケティング企業や広告会社の具体的な仕事内容を例に案内します。

Webマーケティング

Webマーケティングの手法について、検索エンジン最適化(SEO)、Web広告、ソーシャルメディアマーケティング、メールマーケティング、マーケティングオートメーションの順で紹介していきます。

Webマーケティングを遂行するWebマーケターについてはWebマーケターとは?仕事内容/スキル・資格/未経験から目指すには?に詳細の説明がありますのでご確認ください。

1.検索エンジン最適化(SEO)

検索エンジン最適化、SEO(Search Engine Optimization)と呼ばれる手法です。Googleなどの検索エンジンを通じて自社サイトへ自然検索による流入を増やすことを目的に実施します。ユーザーがどんなキーワードで検索することが多いのかをリサーチしデータ分析を行なって検索結果の上位表示を狙います。

検索したユーザーの意図を満足させる最適なWebコンテンツの制作(コンテンツマーケティング)も重要な要素のひとつです。

2.Web広告

Web広告には、リスティング広告・アフィリエイト広告・ディスプレイ広告などさまざまな種類があります。Web広告の利点はターゲットの絞り込みと効果検証が容易な点です。広告文を1行変えてみる、クリエイティブを2種類用意し反応を比較するなどPDCAを回しながら改善を図ります。

また予算額を睨みつつ適宜、入札単価を調整するといった運用も行います。多様な戦略を取ることができるのがWeb広告の特徴と言えるでしょう。

3.ソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディアマーケティングとは各種SNSを利用したマーケティングを指します。ソーシャルメディアマーケティングの特性としては、商品やサービスを紹介し直接販売につなげるよりも、ユーザーとの関係性の構築に重きが置かれる点にあります。

有益な情報を提供しつつユーザーの声にも耳を傾け、ファンを増やしていくようなアプローチに向いたマーケティング手法と言えるでしょう。

4.メールマーケティング

旧来のDMに最も近い手法がメールマーケティングです。見込み客にメールを送信してサイトへの来訪や商品購入につなげます。

過去に購入したこのある顧客かどうか、何を購入したのか、前回購入してからどのくらい経ったかなどの情報をもとに、割引価格を提示したりクーポンを配布したりするなど、的確なアプローチを図ることがメールマーケティングの肝となります。

5.マーケティングオートメーション

上述したWeb広告・SNS・Eメールなどのマーケティング活動を自動化することをマーケティングオートメーション(MA)と呼びます。ここ数年さまざまなMAツールが登場してきましたが、その役割はいずれも「見込み客を獲得すること」と「獲得した見込み客を育成すること」の2つです。

獲得段階ではメールアドレス等の連絡先の取得が目的となります。一方育成段階では、連絡先は分かるが購入意欲が低い顧客をどう育成し商談につなげるかがポイントとなります。こうした膨大かつ地道な作業を自動化できるところにMAの価値はあります。

デジタル化ユーザー行動マーケティング

ここまで紹介してきたようなWebマーケティングの手法に加え、IoTから得られるデータをマーケティングに活用する動きも進んでいます。IoT (Internet of Things)の世界はPCやスマホにとどまらず、照明やエアコンなどの家電までもがインターネットにつながり動作しています。

その結果、例えばアプリの使用履歴やIoT製品の利用履歴、位置情報などをユーザーの行動データとして収集できるわけです。これまでなかなか把握することが難しかった行動データを分析しマーケティング施策に活かすことが、デジタル化ユーザー行動マーケティングです。

デジタルマーケティング実務者になるには

デジタルマーケティング実務者になるには

デジタルマーケティングについて解説してきましたが、この職務を担うデジタルマーケティング実務者(デジタルマーケター)になるためにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。IT業界における採用・転職の求人内容を踏まえ解説します。

必要なスキル

デジタルマーケティングを実践しようとする時に必要とされる基礎的なスキルを5つ挙げてみました。以下順に見て行きましょう。

マーケティングの知識

デジタルマーケティングはマーケティングのひとつの形です。したがって一般的なマーケティングに関する知識は必須と言えるでしょう。マーケティングに関する書籍を読めば必ず出てくるような、KPI、セグメンテーション・ターゲティング、LTVといった基本用語、3C・4P・SWOTなどのフレームワークはマーケターとして理解していて当然と考えておきましょう。

情報収集/分析能力

IT業界と同様にデジタルマーケティング分野もその変化は激しいです。検索のアルゴリズムが変わる、SNSに新しい機能が追加される、レギュレーションが厳しくなるなどの事象は高い頻度で発生します。そのため情報収集を怠れません。

また消費者の嗜好の変化にも敏感である必要があります。デジタルマーケターは常に最新の動向に注視し情報を収集/分析し知見や能力をアップデートしていくことが求められます。

コミュニケーション能力

どのような職種においても大切になるのがコミュニケーション能力です。デジタルマーケターにおいてもこの点は変わりありません。クライアントの商品やサービスをユーザーにどう訴求していくのか、企画提案し戦略を立案していく過程では、一担当者から役員まで多様な関係者とのコミュニケーションが待ち構えています。

自らも主張しつつ相手の意見も取り入れ、プランを実行していくためには必須のスキルと言えるでしょう。

IoTやAIに関するスキル

デジタルマーケターにとってITに関する知識は必須です。そのなかでも今のトレンドと言えるIoTやAIに関する知識やスキルは重要度を増しています。その背景には前述したようなIoTから得られるデータをマーケティングに活用する動きがあります。IoT機器からの多様かつ膨大なデータの解析にはAIが活用されています。

ひとつひとつのデータだけ見ればなんの変哲もないものがAIにより価値ある情報となりえます。IoTやAIに関するスキルは、これからのデジタルマーケターには無くてはならないものになりそうです。

クリエイティブスキル

バナー広告のクリエイティブはデザイナーが、リスティング広告のコピーはライターが担います。ただマーケティング施策全体を通してターゲットにいかに訴求しコンバージョンへとつなげるかについては、デジタルマーケターとしてのクリエイティブなスキルが必要になってきます。

戦略をデザインする力もデジタルマーケターには求められると考えておくと良いでしょう。

あると便利な資格

デジタルマーケティングの仕事をするために必須の資格はありません。一方で、個人の能力やスキルを証明し他者からの信頼を得るための証明書とはなり得ます。以下ではデジタルマーケティングに関する資格について、あると便利なものを4つ紹介します。なお詳しくは【目的別】2021年最新おすすめマーケティング資格・検定20選記事にまとめていますのでそちらをご覧ください。

1.ウェブ解析士

一般社団法人ウェブ解析士協会主催の検定試験に合格すると取得できるのがウェブ解析士です。さまざまなWebデータを読み取り正しく判断するスキルを保有していることの証明につながる資格です。

資格には、ウェブ解析士・上級ウェブ解析士・ウェブ解析士マスターの3つのグレードがあります。

2.ITパスポート

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験レベル1に当たる試験です。全ての社会人が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。

3.マーケティング・ビジネス実務検定

国際実務マーケティング協会が運営する検定です。デジタルマーケティング分野にとどまらず、広くマーケティング全般についての体系的な知識の習得に有用な試験です。

A級・B級・C級の3つのレベルがあり、A級に合格すると「IMSSA認定マーケティング実務士」の資格が与えられます。

4.SNSエキスパート検定

一般社団法人SNSエキスパート協会主催の検定試験です。2017年にスタートした比較的新しい試験です。企業や団体向けにSNSを活用するための知識・手法を習得するための検定プログラムとなっています。

初級と上級があり、上級では基礎知識を前提にKPI・KGIの設定方法やコンテンツの作成方法などより実践的なスキルの習得が可能となっています。

デジタルマーケティングの勉強方法

以上のようにデジタルマーケティングに役立つ資格は数多くあります。デジタルマーケティング実務者(デジタルマーケター)になるために必要な資格はありませんが、 マーケティング用語をはじめとする基本的な知識を学ぶには資格取得もひとつの選択肢です。

未経験からデジタルマーケターを目指す場合は、スクールや講座・セミナーに通うのも良いですが相応に費用もかかりますので、まずはWebサイトの記事を見たり書籍を読んだりしてみることをお勧めします。

またマーケティングの本質を学ぶという意味でセールスライティングに関する書籍も有用です。古い本が多いですが人の本質は今も昔も大きくは変わりません。物を売る場合に人はどういうアプローチをされるとどう反応するのか、デジタルマーケティングでも利用できるヒントが得られることでしょう。

まとめ

マーケティングという概念は20世初頭にアメリカで生まれたと言われています。そこから考えるとデジタルマーケティングの分野はまだその産声を上げたばかりと言えそうです。とは言え、その進展には目を見張るものがあります。

DX化があらゆる分野で進み、その一方で情報はこの先もますます増加し多様性を極めることでしょう。そうしたなかで企業はモノやサービスを売り続けていかねばなりません。その助力となるデジタルマーケティングが今後も発展していくことは約束されていると言っても過言ではないでしょう。

最後のチェックポイント

  • Web/電子メール/SNS/動画/スマホアプリなどを活用する
  • メリットはリアルタイム性と省力化
  • スマホ普及と情報源の多様化が隆盛の背景
  • Webマーケティングがデジタルマーケティングの代表格
  • 情報収集/分析能力、コミュニケーションスキルも大切
  • デジタル化が今後も進展するなかニーズも高まる

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