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産休育休の取得条件?ルール、男性の育休や条件も解説

date2023年12月08日
産休育休の取得条件?ルール、男性の育休や条件も解説
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はじめに

  • 休は働くすべてのママが取得できる
  • 育休はママとパパ双方が取得でき、取得には条件がある
  • 産前は任意の休暇で、産後は必ず休業する
  • 育休は子どもが1歳になるまでが基本、2歳になるまで延長もできる

産休・育休の制度が拡充されています。子育ては夫婦で協力することで、ママが出産によってキャリアを断念することなく働き続けられ、パパにとっても長期的に仕事と子育てを両立させていくために欠かせない制度です。改訂の進む制度をしっかり理解しましょう。

産休育休とは?制度から知ろう

産休は出産に伴う母体の保護と育児準備のためにママが取得できる休業です。育休は生まれたばかりで手のかかる赤ちゃんを育てるための休業で、パパ・ママ双方が取得でき協力して子育てをするための制度です。詳しく見ていきましょう。

産休には産前休暇と産後休暇がある

産休は、出産の時期に認められた休暇のことで育児・介護休業法に定められています。

産前(任意)休業目的:出産前準備
期間:出産予定日前6週間(多胎児の場合は14週間)
体調により取得しなくてもよい
産後(義務)休業目的:出産後の母体保護と回復
期間:出産後8週間
会社も労働者を就業させることはできないので、必ず休業する

産前休暇は任意なので本人が希望すれば出産直前まで働くことも可能ですが、産後休暇は必ず取得しなくてはなりません。
参照:厚生労働省|育児・介護休業法について

育休はパパ・ママ双方が取得できる

育休は「育児休業制度」のことで、育児介護休業法に定められています。ママは産後休暇が終わった翌日から、子どもが1歳になるまでの期間に希望すれば取得できます。パパは子どもが生まれた日から1歳の誕生日の前日までの期間で取得できる制度です。
育休は雇用契約によって取得できる条件があります。
参照:厚生労働省|育児休業制度

産休育休がとれる期間とその条件は?

産休育休の休業が認められるのはどのくらいの期間なのでしょう。基本的な期間と、条件によって延長される期間がありますので詳しく見ていきましょう。

産休の取得期間

産休の取得期間

産前休暇は出産予定日をもとに取得の申請をします。しかし、出産は予定日より早まる・遅れることもありますので、実際の産前休暇期間もそれに応じて前後します。
出産した当日は産前休暇の期間に含まれ、出産した翌日からが産後休暇の期間です。
産後休暇は出産の翌日から8週間が義務づけられています。例外として医師が認めた場合に限り6週間後からの就業が認められています。しかし、出産後の母体の回復を最優先に復帰の時期を決めましょう。

  • 産休の取得条件
  • 対象は会社に勤める妊娠中のすべての女性
  • 勤務形態(正社員・パート・派遣)にかかわらず取得できる

育休の取得期間

育休の取得期間

育児休業はパパ・ママともに子どもが1歳になる前日までの期間で取得できます。

  • 育休の取得条件
  • 子どもの1歳の誕生日以降も継続して雇用される見込みがある
  • 子どもの1歳6か月の誕生日までに労働契約の期間が満了しており、契約の更新されないことが明白ではない
  • 入社1年未満の場合:1年経過後に申請して1か月後から休業を開始できる。
  • 子どもの1歳の誕生日前日までの期間で取得できる。

日々雇用や週の労働日数が2日以下であったり、1年以内に雇用関係が終了する労働契約であったりする場合は、育休を取得できないことがあります。

育休が延長できる期間延長の条件
1歳6か月まで1歳になるまでに保育所などに入所できないとき
2歳まで1歳6か月になるまでに保育所尾などに入所できないとき

子どもが1歳をすぎても保育所に入れないなどの理由があれば、延長も可能です。

パパも育児に参加できる育休

法改正により男性の育休取得も広がりを見せています。詳しく見ていきましょう。

産後パパ育休

産後パパ育休の期間

産後パパ育休とは、子どもの出生後8週間以内に最大4週間の育休を2回に分けて取得できる制度です。育児休業制度と産後パパ育休はあわせて取得できます。
出産や退院、上の子どもたちの世話などタイミングを合わせて取得しましょう。

パパ・ママ育休プラス

パパ・ママ育休プラスの期間

パパ・ママ育休プラスとは、パパ・ママ双方が育休を取得した場合に、その期間を1歳2か月まで延長できる制度です。ただし、個人の育休期間はそのままですので、分割して取得することをおススメします。

  • パパ・ママ育休プラスが取得できる条件
  • パパ・ママ双方が育休を取得する
  • 子どもの1歳の誕生日前日までに、パパ・ママどちらも育休の取得期間がある
  • パパ・ママ育休プラスを取得する人の育児休業開始予定日が、配偶者の取得した育児休業開始日よりあとである

産休育休の申請はいつから?

妊娠して出産予定日が分かったら早めに職場に伝えましょう。会社は産休育休で職場を離れる期間の人員の配置や、産休までの仕事の負荷などを配慮する必要があるからです。
産休育休の取得は法律で定められた労働者の権利ですから、「出産後も仕事を続けたい」という希望をはっきりと伝えましょう。

産休の申請について

産休に申請の期限はありません。産休は出産予定日の6週間(42日)前から取得が可能です。予定日の6週間前以降なら、希望した日から休業を開始できます。余裕をもって申請しましょう。
雇用している会社には、産休前の期間も休憩時間の延長や妊婦健康診査の受診時間の確保など、妊娠中の女性への配慮が義務づけられています。妊婦健康診査で指導を受けた際には、主治医に「母性健康管理指導事項連絡カード」に記入してもらい会社に伝えましょう。

育休の申請について

育休を取得する際には、休業開始予定日の1か月前までに申出をします。育休を取得する人のほとんどが産後休暇から続けて育休を取得しています。その場合は、産前休暇に入る前か産前休暇中に申請しましょう。パパの場合も休業開始予定日の1か月前までの申請は同じです。

産休・育休中に受け取れるお金

出産・子育てを支援する取り組みは休業制度だけではありません。出産費用支援のために「出産育児一時金」が、産休中の生活保障のために「出産手当金」や、育休で仕事ができない間の生活を支える「育児休業給付金」などがあります。どちらも申請することで受け取れます。わからないときは自治体の子育て支援の窓口なども活用できますので必ず申請しましょう。

以下サイトでは産休育休中に受け取れる金額の概算が調べられます。
厚生労働省委託:働く女性の心とからだの応援サイト|妊娠出産・母性健康管理サポート

出産育児一時金

出産時の経済的な負担を補助する目的で、「出産育児一時金」が支給されています。通常は子どもひとりにつき48.8~50万円(医療機関により異なる)が支給されます。
この出産育児一時金には直接支払制度もあり、健康保険組合から出産で利用した医療機関に直接支払いをしてもらう制度です。医療機関での出産費用が出産育児一時金の金額よりも少なかった場合には、差額が申請者本人に支給されます。

  • 出産育児一時金の取得条件
  • 健康保険の被保険者である
  • 妊娠4か月以上で出産した
  • 勤続年数の制限はない

申請の期限は出産から2年以内です。期限内に、忘れずに手続きしてください。
(相談窓口:健康保険組合など)

出産手当金

産休中に給与が受け取れない場合に支給される手当です。産休中の有給消化や、勤務先の規定で産休中にも給与が支給されている場合などは受け取れません。
出産までに1年以上継続して健康保険に加入していれば、雇用形態に関わらず、契約社員や派遣社員でも受け取れます。

  • 出産手当金の取得条件
  • 健康保険の被保険者である
  • 支給開始前の継続した12か月の標準報酬月額を平均額として
    平均額÷30×3分の2
    (入社1年未満の計算方法は異なる)

育児休業給付金

「育児休業給付金」は、休業開始時点での給与日額の67%(6か月以降50%)の金額を育休中に受け取れる制度を言います。無期雇用契約の場合、休業開始までの2年間に12か月間雇用保険に加入している方、有期雇用契約の場合は同じ勤務先で1年以上勤めて、雇用保険に加入している方が対象です。
「育児休業給付金」は、育休終了後に職場復帰することを前提に支給されるものですので、育休後に退職の予定がある方は対象外です。

  • 育児休業給付金の取得条件
  • 雇用保険の被保険者である(パートでも雇用保険に加入していれば支給対象)
  • 育休終了後に復職予定がある
  • 休業開始前の2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12か月以上ある
  • 育休開始前の1か月平均賃金の8割以上が支払われていない
  • 支給単位期間ごとの就業日数が10日以下である
  • 有休雇用労働者は入社1年以上である

(相談窓口:都道府県労働局・ハローワークなど)

出生時育児休業給付金

産後パパ育休を取得した場合に受け取れる給付金です。休業開始前6か月の賃金を日割りにした金額の67%を受け取れます。取得条件は育児休業給付金と同様です。

産休育休の注意点

産休育休に関するさまざまな疑問について、注意点も合わせて解説します。

入社1年未満でも育休はとれる?

入社1年未満の場合、雇用契約の期間や労使協定の内容により、育休が取得できる場合とそうでない場合があります。詳しく見ていきましょう。

取得の条件

条件を満たせば基本的には育休を取得することは可能です。しかし、契約社員やパートなどで有期雇用の場合は育休後の継続雇用が見込めないことや、1年未満の育休を認めていない会社の場合は取得できない場合があります。
申請日が入社後1年を過ぎていれば取得できるので、このタイミングで申請しましょう。ただし、実際に育休に入れるのは申請から1か月後ですので注意が必要です。

  • 入社1年未満に育休がとれる条件
  • 有期雇用でも、子どもが1歳6か月になる以降も継続雇用される。
  • 無期雇用は取得できる(注:労使協定で1年未満の育休を認めていない場合はとれない)

取得できないときの対処法

まずは、入社1年になった時点で申請することが大切です。産休は働くすべての女性が取得できるので、出産後8週間は休業できます。その後、育休を取得できるまでに生じる空白の期間について、年次有給休暇を利用することや欠勤扱いになることも含め会社との相談が必要です。せっかく雇った人材ですから、交渉次第でよい判断をもらえることもあるでしょう。

産休育休中の社会保険料はどうなる?

産休育休中は、社会保険料の免除される制度があります。そのためには事業主から年金事務所への届出が必要です。休業の「開始月」から「終了の前月」までの社会保険料が免除されますので、勤務先に確認して免除の申請をしましょう。

産休中でもボーナスはもらえるの?

ボーナスの支給額を決める算定期間に就業していれば、その期間のボーナスは受け取れます。実際に働いていた期間の業績に対して支給されるものなので、休業に入る前、休業から復帰後のボーナスが産休育休を理由に減額されることはありません。ただし、ボーナス支給の規定は会社によって異なりますので、事前に就業規則で確認しておきましょう。

育休がとれないときは相談しよう

育休の取得申請をしたときに、会社から認めてもらえなかった場合も、諦めずに相談できるところがあります。体調も回復していないのに無理に働くことは避けましょう。

社内で相談

育休などの社会保険の手続きや労務制度に詳しい部署は、総務部や人事部などです。不明なことがあるときは、実務を行う部署に確認するのがよいでしょう。期間や給付金などの詳細を相談することもできます。

専門家へ相談

会社側が育休について否定的な見解を示す場合や、自分と認識の異なる見解を提示された場合などは、総合労働相談コーナーなどの専門家に相談することをおススメします。複雑な制度や仕組みの理解ができ、解決策の提案もしてくれます。
参照:厚生労働省|総合労働相談コーナー

まとめ

ここで紹介したもの以外に、独自の育休制度で支援している会社や、住んでいる地域によっては、独自の支援金の支給や支援制度を実施している自治体もありますので確認しましょう

日本でもライフワークバランスの実現に向けた取り組みが続いています。「育児・介護休業法」が改正され、2022年の4月から段階的に施行されます。妊娠・出産というライフイベントをキャリアに組み込んでいくために大切な制度です。支援を積極的に活用して、出産後も自分らしい働き方を目指しましょう。

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