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SE(システムエンジニア)とは? 仕事内容を簡単にわかりやすく解説!

date2024年01月18日
SE(システムエンジニア)とは? 仕事内容を簡単にわかりやすく解説!
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はじめに

IT業界において、最もニーズの高い職種はエンジニアです。ひとくちにエンジニアと言っても、実際にはさまざまな仕事があります。その中でもSE(システムエンジニア、以下SEと記載)は、システム開発全般にわたって大きく関わる重要な仕事を担っています。SEはクライアントから要望をヒアリングし、システムの設計図を作る職種です。その呼び方は一般的にSE(エスイー)と略す場合が多く、システム構築の要となる必要不可欠な存在です。

この記事は動画でも紹介しています。合わせてご覧ください。

SE(システムエンジニア)とは

SE(システムエンジニア)とは

前述の通り、SEはクライアントから要望をヒアリングし、システムの設計図を作るという、システム開発に関わる重要な仕事を担当する職種です。また、SEはIT化、DX化を推進する社会において欠かせない存在ですが、近年人材不足が問題となっています。この項ではSEの仕事内容を詳しくご説明します。詳しくみていきましょう。

SE(システムエンジニア)の仕事内容

SEはシステム開発において、顧客の要求に沿った仕様の策定やシステムの設計を担当します。その際、予算、人員、進捗管理などのプロジェクト管理も担うでしょう。上流工程と呼ばれるこれらの仕事は、大きく要件定義、基本設計、詳細設計、テスト、保守運用の5つに分けられます。一般的にSEはプログラミングや開発は担当しませんが、システム設計をするにあたってプログラミングの知識はあった方がよいでしょう。

システムエンジニアの仕事内容をわかりやすく具体的に説明!やりがいや仕事の流れ・種類についての記事ではSEの詳しい仕事内容や種類などを解説しています。チェックしてみてください。

要件定義

要件定義とは、システム開発に必要な機能や要求をわかりやすくまとめていく作業のことです。開発をはじめる前の段階でおこなうもので、開発の基本となるものです。まず、顧客から必要な要件をヒアリングし、要望を整理・検討します。そしてどのようにそれを解決するかという、システムに要求する基本的な内容を決めていくのが一連の流れです。

基本設計

次の段階が基本設計になります。顧客にヒアリングして要件定義した内容をもとに、顧客のニーズを実現するためのシステム設計をおこなう段階です。まずは業務の流れを洗い出し、次にシステムにどのような機能を持たせるか、表示方法や操作などのUIはどうするのか、などといった基本仕様を決めていきます。

詳細設計

次に進むのが詳細設計です。実際にどのような手法・技術を利用してシステムを実現するかを具体的に取り決めていく段階です。より具体的な、実際にシステムを構築するエンジニアに向けての詳細を作ります。この次の段階であるプログラミングに効率よく取りかかれるような設計をするためには、プログラミングの知識も含め、開発全般に関する豊富な経験が必要と言えるでしょう。設計書の完成後、プログラマーに業務を渡します。

テスト

完成したシステムがきちんと動作するか確認する段階です。設計書通りに稼働するか、不具合や不備・ミスがないか、動作確認テストを入念におこないます。設計書や要件に沿ったシステムであるかどうかもチェックが必要です。テスト実施とフィードバックを繰り返し、リリースできるものに仕上げていきます。

運用・保守

開発が終わり納品したシステムはそれで終わりではありません。リリース後も運用・保守という仕事があります。運用はシステム改修やアップデートなど、システムに変更があったときに対応する仕事です。保守はシステムが問題なく稼働するよう各種データを適用したり、障害がおきたときに適切に処理したりする仕事です。

SE(システムエンジニア)の1日の流れ

エンジニアというと激務というイメージが強いかもしれませんが、今はそうでもなく、定時で帰れる日も多いようです。あるSEの1日の流れをみていきましょう。

8時半
出社。メール確認、タスク調整
昨日の退社後に来ているメールを確認し調整が必要なものがないか、トラブルの発生や優先度を変えて対応するタスクの発生がないかなどを確認します。

9時
朝のチームミーティング。1日の業務確認

10時
設計書の作成など資料作成

12時
昼休憩

13時 メール確認
緊急対応が必要な仕事が発生していないか、遅れているタスクがないか全体の進捗を確認します。

13時半
移動

14時半 顧客訪問
客先にて打ち合わせ

16時半
帰社、議事録作成

17時
夕方のチームミーティング。進捗報告、課題の共有

18時
変更点を調整し設計書修正と資料作成のため残業

20時
関係各所へメールで連絡調整・翌日の作業を確認し退社

SEを含むエンジニアはどうしても突発的な対応が起こるため、現在でも他の職業と比較して残業は多めでしょう。
エンジニアは激務!?1日のスケジュールを大公開!の記事では、実際にエンジニアとして働いている方々の1日のスケジュールを紹介しています。あわせてご覧ください。

プログラマーとの違い

SEとは、顧客から要望をヒアリングし、顧客の課題解決のためにシステム設計をおこなう職種です。また、プログラム完成後のテストやシステム稼働後の運用・保守もSEの職務範囲です。プログラマーとは、SEが作成した仕様書にしたがってプログラムコードを書く職種になります。小規模な企業の場合は、SEがプログラマーの仕事も兼務することもありますが、一般的には別の職業です。

この記事ではさらに詳しく、プログラマーとは?未経験からなるには?仕事内容や役に立つ資格を解説しています。是非チェックしてみてください。

社内SEとは

社内SEとは、自社内のシステムまわりを幅広く担当する職種です。大きな企業ではチームで担当する場合も多いですが、小さな企業だと1人で幅広い業務を担当することになりパソコンの何でも屋さんといった立ち位置になることも少なくありません。主に社内のインフラ整備、社内におけるパソコンの設定全般、システム関連の保守・運用や社員サポートを担当します。また、経営視点をもってシステム改善に取り組むこともあるでしょう。

客先常駐エンジニア(SES)とは

社内SEが自社内のシステム関連を担当するのに対し、SESではクライアント企業に常駐してシステム開発を担当します。ITエンジニアを労働力として企業に提供する契約・労働形態がSESです。その特性上、プロジェクトごとに常駐する企業が変わります。異なる現場を経験できるため、スキルアップやキャリアアップにつながりやすい傾向があるでしょう。

客先常駐(SES)は地獄? 楽しい現場との違いは?エンジニアあるあるを見てみよう!の記事では、客先常駐(SES)について詳しくご説明しています。参考になさってください。

SE(システムエンジニア)になるメリット

SE(システムエンジニア)になるメリット

従来はプログラマーなどの下流工程からステップアップして目指すものでしたが、現在は教育制度や職場環境も整ってきており、新卒や未経験からでもSEを募集する企業が増加しました。働き方改革で残業が減ったり職場環境が良くなったりといった好条件がそろっているので、女性の職業としても人気が高まっています。

SE(システムエンジニア)の平均年収は?

厚労省の賃金構造基本統計調査によると、2019年のSEの平均年齢は38.8歳で、平均年収は568.9万円です。もともとIT業界は慢性的に人手不足の傾向にあります。そのうえ、近年はデジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が高まり、人材不足は深刻です。そのため、他業種の平均と比べても高い給与水準にあるのです。AIやビッグデータ、クラウドといった最先端の技術的知見を身につけたり、マネジメント力に磨きをかけたりするなど、スキルアップ・キャリアアップでさらに年収を上げることも十分に可能と言えます。

参考:独立行政法人統計センター|政府統計の総合窓口(e-Stat)

キャリアアップにつながる

SEとして経験を重ねスキルを磨くことによりキャリアアップが狙えます。具体的には、下流から上流工程を経験し、上述したようにマネジメント力を磨くことで市場価値が上がり、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)のポジションへステップアップが可能となります。得意とする分野を作り、その分野のスペシャリストを目指すことも可能です。またITコンサルなど、別分野への挑戦も狙えるでしょう。

初級から上級まで、SEに必要な資格をシステムエンジニアになるには資格なしはまずい?難易度別に取得メリットも解説の記事で紹介しています。あわせてチェックしてみてください。

多岐にわたるITエンジニアの仕事

ITエンジニアにとって、実際に必要となる技術領域は得意分野によって分かれます。個々の開発においては、その分野ごとの最新かつ高度な知識が必要になり、職種もさまざまです。ここでは代表的なエンジニアの職種を紹介します。

  • インフラ系
  • ネットワークエンジニア
  • サーバーエンジニア
  • データベースエンジニア
  • セキュリティエンジニア
  • Web系
  • フロントエンドエンジニア
  • バックエンドエンジニア
  • ソフトウェア開発
  • システムエンジニア
  • プログラマー
  • 運用エンジニア
  • その他
  • プロジェクトマネージャー(PM)
  • プロジェクトリーダー(PL)
  • データアナリスト
  • データサイエンティスト
  • ITコンサルタント
  • セールスエンジニア
  • テストエンジニア

SE(システムエンジニア)に必要なスキル

SE(システムエンジニア)に必要なスキル

SEの仕事はまず顧客の要望やニーズをくみ取り、要件定義を行うところから始まります。そして、要件をシステムの設計図へと落とし込み、顧客とプログラマーの双方とやり取りを重ねながら、システムの完成に向けてプロジェクトをスムーズに進めることがその最たる仕事です。以上のような業務内容から考えると、SEには次のようなスキルが求められます。

コミュニケーション力

SEは顧客と自社の開発メンバーの間に立ち、システム開発が顧客の望む形で進むように尽力します。そのための重要なスキルはコミュニケーション力です。開発メンバーには、顧客からヒアリングした内容を要求仕様書・設計書という形で言語化し、抜け漏れや認識の行き違いが生じないようきちっと伝える必要があります。その一方で、顧客に対してはエンジニアの言葉で説明しても、技術的バックグラウンドが無いため、うまく通じないケースもあるでしょう。顧客が理解でき、納得が行くようにうまく説明する必要があります。コミュニケーション力は、SEにとって最も重要なスキルと言っても過言ではないでしょう。

ヒアリング力

システム開発においては、その前段階として、顧客のニーズや課題を把握することが最も大切です。課題の理解が浅いと、システム開発の方向性のズレが発生します。開発が進むほど軌道修正は大変になるでしょう。たとえば顧客から「処理時間を短くしたい」という要望があった場合、それをそのまま要件とし、プログラマーに伝えるのは問題があります。その理由を掘り下げていくことが肝要です。実は処理時間が問題ではなく、別の要素を解決する必要があったといったケースもよく見受けられます。顧客の要望の根源的な理由をヒアリングし把握することこそが、課題解決の根幹と言えます。

論理的思考力

プログラムとはロジカルに動作するものです。顧客の要望を整理し、どのようにその内容を要件定義ならびに設計に落とし込むかはSEの腕に掛かっています。そのためには論理的思考力が欠かせません。顧客の要望に対して十分に思考が練られないまま開発を進めてしまうと問題が発生します。要望はかなえているものの、ちょっとした改修にも大きな変更を要し、汎用性のないプログラムが出来上がってしまうでしょう。また、実行に時間がかかる、タイムラグが生じるといった、無駄の多い冗長なプログラムになってしまうことも懸念されます。

マネジメント力

開発案件はタイトなスケジュールであることが多いものです。プロジェクトマネージャーやリーダーがいる場合は、それぞれの連携を図りながら遅滞なく開発が進むように現場を取り仕切る力が求められます。開発メンバーの人的マネジメントも重要なSEの仕事です。特定のメンバーにのみ負担がかかっていないかをウォッチする、社内で回らない場合は外部のリソースの活用も検討するなど、細やかかつ柔軟な対応が必要になってきます。

IT基礎力・技術力

顧客の要望やニーズを実現するために、どのような手法が最適かの判断を行い提案することもSEには求められます。たとえば、Webベースのシステムにするのか、アプリ化した方がよいのかといった技術的な側面から、自社サーバーを活用するのか、クラウド化した方が納期・コスト面で優位なのかといった点まで、ITに関する広範な知識と経験が必要になってきます。

業務スキル

企業からの受託案件においては、人事、経理、営業など、さまざまな業務を対象としたシステム開発の依頼があります。こうした業務は企業が異なっても共通する部分があります。SEが顧客サイドの業務に関する知見を蓄えることで、業務にも明るいSEとして、信頼を得ることにつながるでしょう。

どんな人が向いている

どんな人が向いている

パソコンの前に座ってプログラムを書いていくプログラマーと異なり、SEは人と会って話をすることが多い職種です。そのためSEは、人によって向き不向きがはっきり分かれる職種と言えるでしょう。では、どんな人がSEに向いているのかを見て行きましょう。

理系・文系どちらが良い?

SEは理系の方が活躍できる職種であることは確かです。業務を進めていくなかで、IT分野、特にプログラミングに関する知識はどうしても要となるためです。そのような中で、文系であってもヒアリング力や交渉力を活かして活躍しているSEも数多くいます。プログラムに関して最低限のことは理解しておく必要がありますが、実際に手を動かしてプログラミングをする必要がない場合、SEが細かな部分まで知っている必要はありません。プログラマーとうまくコミュニケーションを図り進行する形で、十分に埋め合わせは可能です。

探求心がある

IT業界は日進月歩です。日々新しいテクノロジーが生まれ、また技術のトレンドも移り変わって行きます。自社でサーバーを持つ形態からクラウドへ。主流のデバイスがPCからスマートフォンへ。さまざまなものがネットワークでつながるIoT、AIを用いたビックデータの解析など、挙げ出したらキリがないほどにさまざまな技術が創造され、そしてこの先も続いて行きます。そうした状況に面白さを感じ、情報感度が高く、探求心のある人は、SEに向いていると言えるでしょう。

相手の目線に立って考えられる

SEは顧客が抱える業務上の問題に対してシステム開発を通じて解決することが最終的な目的となります。そのためには、顧客やユーザ目線で物事を考えられることが重要です。なぜ顧客はこのシステムを開発しようと考えたのか、このシステムはユーザが使いやすいものとなっているか、といった視点を常に持ち、業務を遂行できるかが肝となります。顧客からヒアリングした内容をもとに、自分がもし顧客やユーザの立場であればどうしたいと思うか、自分ごととして捉えることが、よりよいシステム開発につながります。

まとめ

SEとは、経験を積んだエンジニアがシステム構築の全体像を把握しながらシステムの要件定義を行い、基本・詳細設計を行う職種です。
培える経験や知見は、開発案件に必要不可欠なものであり、その先にはPLやPMへのステップアップ、収入アップが望めます。近年、働き方改革で労働条件も好転しつつあり、さらに働きやすい環境へと変わっている状況もSEを目指す上では見逃せないところです。IT人材不足が叫ばれる中、SEはますます必要とされる職種になるでしょう。

最後のチェックポイント

  • SEは、開発の設計図を作る上流工程の仕事をするエンジニア
  • 要件定義、基本設計、詳細設計が主な業務
  • 他業種より平均年収が高い傾向あり
  • 業務を遂行するうえで、何よりコミュニケーション力が求められる
  • 文系でもSEとして活躍できる素地はある
  • プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャーになれば収入アップ可能
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