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ネットワークエンジニアの仕事内容、やりがい、年収、将来性とキャリアパスについて

date2024年01月12日
ネットワークエンジニアの仕事内容、やりがい、年収、将来性とキャリアパスについて
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はじめに

ネットワークエンジニアは、システムの根幹に携わり、重要な役割を担っています。仕事の内容、必要なスキルは何か、年収や将来性について、どのような資格があるかなど、就職・転職を考える方のために解説します。

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアとは、企業内で使用するコンピューターや電子機器をつないでネットワーク環境を構築し運用する仕事です。企業に求められる情報セキュリティレベルは年々高くなっており、高度な情報セキュリティ対応ができるネットワークエンジニアの需要が高まっています。

仕事内容とは

ネットワークエンジニアの仕事は、設計、構築、運用・保守の3段階に分かれています。構築の段階では設計書の通りに、ルーターやLANケーブル等の機器を接続し、インフラを完成させます。物理的にネットワークを接続することもありますが、環境設定を行うこともあります。システムを構築したら、ネットワークやサーバーに不備がないかチェックしその動作を報告します。故障やトラブルを発見し、対応するのも運用・保守の仕事です。

やりがいとは

ネットワークはシステムの基盤です。一番根幹となるところに関わることができます。大規模なシステムの設計に携われば、そこに自分が関係していることにやりがいと誇りを感じられる人も多いでしょう。

年収はどれくらい

複数の就職サイトに掲載されている、ネットワークエンジニアの平均収入は450万円程度です。キャリアが評価されれば年収650〜800万円程度になることも珍しくありません。日本人の全年齢の平均年収の中央値は423万円程度ですので、ネットワークエンジニアの年収は比較的恵まれているといえます。

ネットワークエンジニアは安定を求める人に適した職といわれてきましたが、最近は、クラウドの進化や5Gなど通信の進化でどんどんネットワークの世界が広がっています。IoTなどのネットワークは複雑で、そうした新しい技術にも対応できる力が求められるようになってきました。ネットワークエンジニアとして第一線に携わり続けるためには、日頃から最新の技術を学び体力をつけておくことが必要です。

出典:平成30年 生活基礎調査の概況-厚生労働省

将来性とキャリアパスについて

未経験からネットワークエンジニアとして働く場合、最初の1〜2年目に監視・運用業務を通してネットワークに関する知識を身に付けます。その後、資格の取得状況に応じて3年目くらいに構築・保守業務を担当するようになります。現場技術者として経験を積んだ後は、3つのキャリアパスがあります。

  • プロジェクトマネージャーや管理職になる
  • 専門性を持つ技術スペシャリストになる
  • IT基盤コンサルタントになる

ただし、近年のネットワークエンジニアを取り巻く環境は変化しています。新規にシステム構築を行う企業が少なくなるとともに、クラウド型サーバーが普及したことで、自前のサーバーを持つ企業は相対的に減少しています。今後はクラウドが絡む仕事の増加が予想されます。ネットワークエンジニアも、クラウドとの上手な付き合い方を模索していくことが必要です。クラウド化が進んでも設計など上流工程の仕事は残るため、業務で求められるレベルが上がると考えておきましょう。

ネットワークエンジニアに必要な資格

ここでは未経験からネットワークエンジニアに転職したい人や、ネットワークエンジニアとしてステップアップしたい人が持っておくと効果的な資格について解説します。

CCNA
Cisco Systems社のネットワーク機器を使用している企業は非常に多く、ネットワークエンジニアとしてCisco Systems社の提供する認定資格を持っていると就職や転職にとても有利です。CCNAはシスコ技術者認定の資格のエントリーレベルです。なお、資格の有効期限は3年間となっています。

なお、CCNAは2020年2月23日に改訂予定のため、今後内容が変更になる可能性があります。

CCNA
運営会社名Cisco Systems社
受験料1科目:18,480円(税別)
2科目:36,400円(税別)
受験資格特になし
受験時期祝日を除く、月~土曜日。試験の6週間前から当日まで申し込み可能
出題数50〜60問程度
回答形式CBT形式
合格率60%程度
取得レベル未経験者・初級エンジニア

LPIC(Linux技術者認定試験)
ネットワークエンジニアの評価に影響する資格に、LPIC(Linux技術者認定試験)があります。日本だけでなく海外でも広く認知されている試験です。ネットワーク運用においてLinuxサーバーが良く使われる為、Linuxの技能を身に付ける必要があります。LPICには3段階のレベルがありますが、前提条件として下位レベルの資格が必要なため、ここではLPIC-1を紹介します。有効期限は5年間です。

LPIC(Linux技術者認定試験)
運営会社名Linux Professional Institute
受験料15,000円(税込)
受験資格特になし
受験時期祝日を除く、月〜土曜日
出題数90問
回答形式多肢選択式、空欄記入式
合格率合格基準点65〜75%
取得レベル未経験者・初級エンジニア

CCNAとLPICの違いはカバー領域が異なることです。CCNAはネットワーク、LPICはサーバー業務に関わるなら、理解しておくとよいでしょう。各試験にはレベルの異なる複数の資格が存在するため、下位の資格から一つずつ取得していくことをおすすめします。

情報処理技術者試験・基本情報技術者試験
IT人材として活躍するうえで総合的にITの知識を身に付けられるのが情報処理技術者試験・基本情報技術者試験です。ネットワークエンジニアに限らずIT全般の広い知識を得ることができます。

情報処理技術者試験・基本情報技術者試験
運営会社名情報処理推進機構(IPA)
受験料5,700円(税込)
受験資格特になし
受験時期春期:4月第3日曜日、秋期:10月第3日曜日
出題数91問(解答数は85問)
回答形式多肢選択式
合格率25.7%
取得レベル未経験者・初級エンジニア

なお、これらの資格に優劣はありません。どれも入門レベルとして取得を検討したい資格です。より上位を目指す人には、CCNAの上位資格であるCCNPや、情報処理技術者試験の応用情報技術者試験、さらに上のネットワークスペシャリスト試験やCCIE、などがあります。自身のレベルに応じて取得を検討してください。

未経験からネットワークエンジニアになるには

未経験からネットワークエンジニアになるには

未経験からネットワークエンジニアになるための就職方法や、必要なスキルの習得方法などを解説します。

ネットワークエンジニアにはどんな人が向いている?

ネットワークエンジニアに向いている人の特徴は次の3つです。

コンピューターや周辺機器に興味がある

コンピューターに興味がある人でも、コンピューターの内部設計や周辺機器にまで興味を持つ人は多くありません。モデムやルーターなどの周辺機器にまで興味がある人は、ネットワークエンジニアに向いていると言えるでしょう。

地道に取り組むのが好きな人

ネットワークエンジニアはコツコツと地道に作業を進めていく仕事です。地道に作業に取り組める人は、ネットワークエンジニアの適性を持っていると言えます。

複数の能力をバランス良く持っている

ネットワークエンジニアには、正確な情報を収集できる能力や分析力のほか、コミュニケーション力や時代の変化をキャッチアップできる柔軟性が必要です。IT業界は変化の激しい業界でもあるため、次々と新しい技術を学び自分のものにしようとする勤勉さ、柔軟性も重要な資質となります。

未経験からネットワークエンジニアになるために必要なスキルと習得方法

ITのスキルや知識は独学で学べることもありますが、自分で勉強するのが難しい人はITスクールで学ぶこともできます。IT業界では、特に20代の未経験者歓迎の会社もたくさんあり、研修内容が充実しているところも多いので、深い事前知識や専門的な資格取得が必ずしも必要というわけではありません。未経験者を採用する場合、その方のポテンシャルや、人間性が社風とマッチするか等を重要視して採用されるケースが多々あります。このように、ネットワークエンジニアに必要なスキルは企業に入ってから習得することが多いのですが、事前に取得していると歓迎されるスキルについて以下に記載します。

WAN系の知識

ADSLやCATV、高速デジタル回線など、主にITU(国際電気通信連合)で規格化された技術となります。

LAN系の知識

TCP/IPや無線LAN、ルーティングなどの主にIEEE(電気・情報工学分野の学術研究団体)で規格化された技術となります。

インターネット系の知識

DNSやメール、WWWサーバー、アプリケーションサーバーなど主にIETF(インターネット技術の標準化を推進する任意団体)から業界標準となった技術となります。

上記の知識を総合的に学ぶには、CCNAの資格取得を目指すことをお勧めします。資格を事前に取得することで、上記の知識が身についていることを証明でき、学習能力や就業意欲を示すことができます。

ネットワークエンジニアへの就職、転職方法

ネットワークエンジニアは需要がある職種なので、未経験でも比較的転職しやすい職種といえます。転職支援サービスのエージェントや転職サイトはそれぞれのメリットを知り使い分けましょう。

転職エージェントに登録しておく最大のメリットは転職サイトには掲載されていない非公開求人がある点です。大手総合型エージェントは大手ならではの非公開求人を多く抱えています。業界特価型転職エージェントは全体の非公開求人数はそれほど多くなくとも、特化した領域の企業の非公開求人情報をたくさん持っています。

また最近ではTwitter、LinkedIn、WantedlyなどのSNSを利用する方法もあります。

変化の激しい業界においてネットワークエンジニアのキャリアパスは幅広く、将来的に安定した仕事だと言われています。現役エンジニアが仕事のあれこれについて解説しています。こちらの突撃Q&A!現役エンジニアに聞くネットワークエンジニアのお仕事についての記事を参考にしてみてください。

ネットワークエンジニアのフリーランス

ネットワークエンジニアのフリーランス

ネットワークエンジニアは、会社員かフリーランスかで求められる能力や資質に違いがあります。クラウドやセキュリティ対策など、ネットワークシステムに求められるレベルは、年々高度なものになっています。IT技術や情報は日進月歩で更新されるため、常に情報をアップデートする向上心も求められるでしょう。

ネットワークエンジニアの仕事は、クラウドソーシングにはほとんど出ていませんが、ネットワークの知識や技術力をベースとしてステップアップしていき、セキュリティエンジニアやITコンサルタントなどへスキルアップしていくことで、フリーランスとして通用する実力を身に付けられます。

例として、セキュリティエンジニアでは、ソフトウェアやウェブサイトの脆弱性を見つけて企業に報告するバグハントの仕事があります。凄腕ハンターは、海外企業から依頼を受け、2時間の作業で200万円ほどの報酬になることもあります。フリーランスは、全てを自分の責任で行う大変さがある一方、高収入を獲得できる可能性もあります。

まとめ

ネットワークエンジニアは特別なスキルや資格を必要としないことから、ITエンジニアの中でも、未経験者が挑戦しやすい職種だといわれてきましたが、ここ数年でネットワークエンジニアを取り巻く環境は変化しています。これからのネットワークエンジニアには、工程の上流から下流まで携わることのできる幅広い視野や知識、経験が求められています。未経験からネットワークエンジニアを目指すなら、まずは情報収集からはじめ、ITの知見を深めてみてはいかがでしょうか。

チェックリスト

  • ネットワークエンジニアは異業種からの転職が多い職種
  • 日本人の平均年収の中央値よりも高い年収が期待できる
  • 特別な資格やスキルは必要ないが、資格は客観的な評価基準として活用できる
  • クラウドやセキュリティに強くなれば、フリーランスとして活躍することも可能
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