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SPIN話法とは?ヒアリング重視の営業スキルを解説

date2024年02月02日
SPIN話法とは?ヒアリング重視の営業スキルを解説
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はじめに

営業をはじめとするビジネスの場面で、相手の本音がわからなくて困った経験はありませんか?ヒアリング力を重要視するSPIN話法は、相手の潜在ニーズを掘り起こすことが可能です。ビジネスだけでなく日常生活にも使えるSPIN話法について今回はわかりやすく解説します。

SPIN話法とは

読み方は「スピンわほう」です。顧客の潜在ニーズを引き出す営業方法です。イギリスの行動心理学者のニール・ラッカム氏が考案しました。IBMをはじめ、世界中の有名企業で取り入れられているフレームワークです。従来の、いわゆるセールストークは押しつけ感があって敬遠されがちなので、ヒアリング力を使うSPIN話法が有効です。

SPIN話法の4つの質問

Situation (状況質問)、Problem(問題質問)、Implication (示唆質問)、Need-payoff (解決質問)、これら4つの質問の頭文字を取ってSPIN話法と言います。

SPIN話法の4つの質問の説明図

Situation Questions(状況質問)

相手の状況を把握するための質問です。事前のリサーチをして端的に済ませ、だらだらと聞かないようにするのがポイントです。

状況質問の例文

○○の管理にはどのようなサービスを利用していますか?

○○の担当者は何人いますか?

Problem Questions(問題質問)

クライアントが問題点に気付くような質問をします。掘り起こした潜在ニーズをクライアントが自らの口から言うように誘導します。

問題質問の例文

利用しているサービスの容量は十分ですか?

現在のやり方で何か困っていることはありませんか?

Implication Questions(示唆質問)

その問題がどのようなトラブルを引き起こすか、解決の必要性を感じてもらうための質問です。解決すべき問題点が明らかになっていても結論を急がないのが重要です。クライアントが自ら解決の必要性に気付くように質問します。

示唆質問の例文

今使用しているサービスを使い続けることで業務改善のタイミングを逃してはいませんか?

従来のセールストークでは顧客に押しつけ感を与えてしまいませんか?

Need-payoff Questions(解決質問)

問題意識を持つことができたクライアントに対し、解決策を質問の形で提案します。間接的に営業に結びつけるのがポイントです。

解決質問の例文

これまでにない特長を持つ弊社の○○というサービスならそれらの問題を解決できると思いませんか?

弊社の○○を利用すれば業務効率化が図れるのではないでしょうか?

SPIN話法の具体例

SPIN話法は営業をはじめとするビジネスの場面だけでなく、日常生活の中までさまざまに応用することができます。

IT系の営業の場合

COMPANYというERPシステムをセールスしたい場合の例文です。

IT系の営業の場合
Situation Questions
(状況質問)
人事システムは何をお使いですか?
Problem Questions
(問題質問)
基幹システムだと各部門のデータがバラバラで使いにくさはありませんか?
Implication Questions
(示唆質問)
データの一元管理ができればスピーディーな経営判断につなげることができるのでは?
Need-payoff Questions
(解決質問)
COMPANYのようなERPシステムを使うことでそれらは解決できるのでは?

アパレル系の場合

ストレッチ素材のリクルートスーツを販売したい場合の例文です。

アパレル系の場合
Situation Questions
(状況質問)
リクルートスーツをお探しですか?
Problem Questions
(問題質問)
スーツは動きにくく窮屈だと感じることはありませんか?
Implication Questions
(示唆質問)
窮屈だとストレスになってしまって面接のときに実力を発揮できないのでは?
Need-payoff Questions
(解決質問)
ストレッチ素材を使ったスーツなら疲れにくいのでは?

家庭の場合

家族旅行を提案したい場合の例文です。

家庭の場合
Situation Questions
(状況質問)
最近元気がないようだけどどうしたの?
Problem Questions
(問題質問)
ストレスがたまっていると仕事にも影響が出るのでは?
Implication Questions
(示唆質問)
仕事に影響が出たら査定に響くのでは?
Need-payoff Questions
(解決質問)
旅行に出かければ心身ともにリフレッシュできるのでは?

ヒアリングの重要性・アフターケアも忘れずに

従来のセールストークでは、いかに上手く話すかという点に重きが置かれていました。SPIN話法で最も重要なのはヒアリング力です。Situation ・Problem・Implication・Need-payoffの4つの質問にそってヒアリングを行うことで、顧客への商談が行ないやすくなります。
また、営業は契約が成立したら終了ではありません。信頼関係を継続させるための、ヒアリング力を活かしたアフターフォローが大切です。販売した製品やサービスの利用状況などを定期的に確認しましょう。

まとめ

従来のセールストークには押しつけ感があるという欠点がありました。SPIN話法ではヒアリングに重点を置き、相手の困りごとや潜在ニーズを自然に引き出します。この方法はビジネスの場面だけでなく日常会話にも活かすことができます。円滑な人間関係を築くためにSPIN話法を活用してみてはいかがでしょうか。

最後のチェックポイント

  • SPIN話法とはヒアリング力を活かした営業スキル
  • セールストークを押し付けることなく相手の潜在ニーズを掘り起こす
  • 状況質問、問題質問、示唆質問、解決質問の4種類の質問を行う
  • 質問することよりも聞く力が大切
  • 日常生活に活かすこともできる
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